コピーワンス

なぜ日本のメディアは著作権保護が下手なのだろう。
たとえばコピーワンスでは家庭内コピーもできない。たぶん、映像データをPC上で解析したり、メタデータを編集したりすることもできない。*1デジタル化によってデータ対画質比は向上するものの、視聴者の利便性が低下する。

侵害者として海賊版業者を考える。海賊版業者は現在、通常放送のアナログコピーを販売している。今後もその方式が続けられる限り海賊版業者の撲滅は難しい。
そもそも放送が一対他数形式のメディアであるのだから、その内容を保護することに無理があるのではないか。厳密な著作権保護を行うためには、通信や物品販売などの一対一形式のメディアを利用するべきだろう。*2

侵害者としてボランティアというべきか、自発的・非営利の海賊版製作者を考える。*3彼らは自分が好きなものを広めるために海賊版を製作している。その活動により実際の購入には到らない潜在的購入者が多くなっているが、それと同時に潜在的購入者の総数自体を増やしているのも事実である。
この類の海賊版製作者の撲滅を目指すこと自体が商業的に危険な行為である。むしろ積極的に利用することを考えた方が有益だろう。

つまり、自由に利用できる低品位メディアと完全な保護の下にある高品位メディアという複合戦略を用いればよい。
まずは低品位メディアを放送して市場規模を確保すると同時に広告収入を得、次に高品位メディアを販売して追加収益を得るというモデルが判りやすいだろう。もちろん、低品位メディアは初めから海賊版業者や自発的・非営利海賊版製作者に任せてしまえばさらに経費を節約できるかもしれない。

*1:第一、(公開さえしなければ)二次利用自体は合法のような。

*2:各データにシリアルナンバーを付けるのも簡単だ。

*3:http://www.faireal.net/dat/d4/d40205.xmlなどを参照。