2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

沈む船から逃げた鼠

沈む船から鼠が逃げているのを見て「あの船は鼠のせいで沈んだんだ」と言うのは恥ずかしい。

それは小説ではない

「何故、○×したのかというと〜だからだ。」 という形式で説明すると小説らしさが失われる。どちらかといえば小咄のようにも思える。

芥川賞は沈みかけた船沈んだ船の救命ボートに過ぎない。いや、もちろん冗談ですけど。

それぞれの賞について何かを言うよりも、そもそも日本に文学*1愛好者がどれだけいるのか?という話から始める必要があるのではないかと思い、出版統計を見てみました。 http://www.stat.go.jp/data/nihon/21.htm 文学分野の出版点数は12,119点*2です。この出…

ファウスト賞

http://shop.kodansha.jp/bc/magazines/faust2/comment.html コメントの中から気になったものを挙げると、 こういう原稿の送られ方は困ります。 五枚はないだろう、五枚は!(怒) 「――こうしている間にも」から始まる小説。しかし、二枚はないだろう、二枚…

()など、小説中で記号を使うのはつまり、表現の次元をずらそうとしているからだ。 例えば、村上春樹が『海辺のカフカ』でキーワードを傍点や太字で飾ったり、田中康夫が『なんとなく、クリスタル』で欄外の注釈という形式を用いたり、……、といった特異とも…

奥泉光『新・地底旅行』ISBN:4022578920

読み終わったところ。 或る程度は予想していた通り、伏線を回収しない・唐突に話が大きくなる・そのまま終わる、という展開でした。面白くないことはないのだけど、筋書がぐだぐだなのは憂鬱になります。

奥泉光『新・地底旅行』ISBN:4022578920

第九章まで読んだところ。 爺さんだとか、握り飯だとか、温泉だとか、本筋と関係のない文章の上手さに感得する。でも、登場人物といい、地球空洞説といい、今更としか言いようがない素材ばかりだし、SFとしての出来はあまり期待できないかな。

高橋源一郎『ゴヂラ』ISBN:4104508012

いまいち。

浅暮三文『似非エルサレム記』ISBN:4087753220

ある日突然、エルサレムが意志を持って動き出した!という現実+αの設定のファンタジー。 SF的なものを期待すれば緩々、風刺・寓話として読めば脱力、……、という調子で、決して全方位的な大作ではないと思う。戯画化された国際情勢の元で動き出したエルサレ…

java

http://www.genady.net eclipseのJDK1.5pluginの使い方がやっと判った。以下の通り。 javaのVMをJ2SDK1.5βにする。*1 プロジェクト内に通常フォルダでsrc1.5,bin1.5を作る。*2 JDK1.5pluginを有効にする。 プロジェクトのプロパティからJDK1.5pluginのソース…

島田荘司『ねじ式ザゼツキー』ISBN:4061823418

ううむ、序盤の展開は『眩暈』にそっくり。まあ、以前自分で使ったネタを一部再利用しているわけで、やや不満がないわけでもない。ただ、それでも『眩暈』より面白くなっていたし、こういう拡大再生産も有りなのかもしれないと思う。*1それと、横書きが読み…

サスペンスとホラーの違いは結末だけなのかもしれない。 どちらも物語の骨格は「何ものかが主人公を追い詰める」という部分であり、追い詰めるものの正体は仄めかされるだけである。*1この正体が理解不能ならばホラー、理解可能ならばサスペンスなのではない…

ポストモダン自体には大した意味はない。あくまでもモダンに対するアンチテーゼであり、モダンの過剰を留めるものである。*1つまり、単体で何かを表現するものではありえない。 *1:モダニズムも不明瞭な語だったり。

ここ数日、体調が悪かったのはインフルエンザらしい。 体温は高いし、頭は痛いし、筋肉痛まで。

今更ながらlispを勉強してみる。 まずはCLISPhttp://prdownloads.sourceforge.net/clisp/をダウンロード・インストールした。*1 エディタはどうしよう。 *1:ただし、付属のinstall.batでは罫線として使われている「|」がエラーの原因になるので、「|」を消し…

読書日記

山口雅也『日本殺人事件』ISBN:4043455011 山口雅也『続・日本殺人事件』ISBN:404345502X ちなみに、アメリカ人が銃を所持する憲法で保障されているように、サムライたちは帯刀を許されていた。ヤマダ親子もマゲ(髷)は結っていなかったし、服装もゼロック…

読書日記

折原一『模倣密室』ISBN:433492395X 当然のことながら今作はパロディなのだけど、そもそも本格ミステリというジャンル自体がパロディとしてしか成立しない訳で。 本格ミステリの枠内から今作のような戯画的にパロディを行った小説は極めて少ない。どちらかと…

読書日記

斎藤美奈子『文壇アイドル論』ISBN:4000246135の続き 皮肉や揶揄という手法がどうも苦手だ。 文体や表現が面白いというわけでもない。内容も論者に感情移入した読者*1以外にとっては意味がない。そして何より、ものを云う際に弱者を騙る品性がxxx、大嫌いだ…

読書日記

斎藤美奈子『文壇アイドル論』ISBN:4000246135 俵万智のコピーライティング性を論じるのなら、自分自身のコピーライティング性も論じるべきではないの? というのが読中の印象。権威ともまた異なる立場からではあるのだけど、反論してこない相手を選んで罵倒…