2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

メタ

一口に「メタ」と言ってもその内実は様々である。そもそもが接頭辞という非独立語であることからも連想出来るように、その後に続く言葉が象徴するものによって初めてその意味が定まる。「その後に続く言葉が象徴するもの」が多義的であればあるほど、メタ○×…

可能性物(仮)と伏線

可能性物(仮)の利点とは情報量の適正化が計れることである。情報量の適正化された物語は少なくとも以下の三点で優位である。 伏線の存在を気付かせやすくなる。 伏線の活用を納得させやすくなる。 メタレベルでの記述が混入しにくくなる。*1 *1:メタレベルの…

可能性物(仮)の情報量

可能性物では選択肢を任意の数に調整することが出来る。つまり、より、のときにGainの最大値という値が得られる。Costの評価が読者によって異なることは明らかなので、ジャンルの違い、つまりは対象とする読者層の違い、に応じて選択肢の数を増減させるとよ…

情報量

民話では能力や可能性という観点自体が希薄である*1。全ての出来事は起こるべくして起こるのであり、そもそも選択肢自体が存在しない。 逆に近代小説では各登場人物が内面を持ち/持つことになっており、作者の都合を別とすればあらゆる選択肢を選ぶことが出…

成長の禁止/変身の許容

可能性物では登場人物が成長しない/してはならない。なぜならば定義により、精神面の変化は全く意味をなさず、能力面の変化はその前後が全く別の人物として扱われるからである。そのため、能力の変化は連続的な成長としてではなく、不連続的な変身として描…

例えば、民話の登場人物は「その人は何をするか」によって規定されている。例えば、近代小説の登場人物は「その人は何をしたか」によって規定されている。*1 「その人には何が出来るか」によって登場人物を規定する物語を、ここでは便宜的に「可能性物」と呼…

特殊能力

格闘物の少年漫画や清涼院流水のJDCのようなものだけではなく、登場人物の限られた一部だけが可能な行為は全て特殊能力であるとみなしてよい。 例えば、一般的なミステリでは特殊能力を示すために職業を利用している。 警官 捜査を仕切ることができる。 医者…

なんとかOK編

OKとNGとの境界線について。 特別な能力 主要人物の能力は特別なものとして扱ってもよい。これは二重規範と極めて似ているが、持っている能力自体を明示することが出来る点が異なる。例えば、素早い身のこなしで弾丸をかわす主人公。*1例えば、初対面の人物…

NG編

まずは駄目だと思う演出について。 二重規範 いわゆる御都合主義*1演出の大半は二重規範に由来する。例えば、主要人物は掠り傷一つ負わないが、その他大勢の非主要人物は次々と倒れていく銃撃戦。例えば、主人公を初対面にも関わらず無条件に信用する登場人…

批評は誰がために(略)

メタな考えを廻らしているうちに判ったこと。 私が批評に求めているものは演出の方法論である。 ということで『演出の方法論』というカテゴリを新設してみよう。

批評は誰がためにありや

誰のために批評を行うのか? もちろん、自分のためである。自分の読解に有益な行為を優先して行うという程度の功利主義ならば私も持ち合わせている。*1 何のために批評を行うのか? もちろん、小説を読むためである。さらにいえば総体としての小説、一般形と…

何ともメタな

最近、何かを書こうとするたびメタな方向へ考えが向いてしまう。昨日http://d.hatena.ne.jp/kilrey/20040913の文章は途中まで書いて放置してしまったほどだ。メタな気分ならメタな気分らしく、今日は批評について書いてみようかと思う。

Eric Garcia『さらば、愛しき鉤爪』ISBN:4789717690

出来の良いパロディは何時読んでも楽しめる。まあ、それは定義のようなものであり、同義反復といってもよいのだが、最も頼りになる指標であるのも事実だ。