NG編

まずは駄目だと思う演出について。

二重規範
いわゆる御都合主義*1演出の大半は二重規範に由来する。例えば、主要人物は掠り傷一つ負わないが、その他大勢の非主要人物は次々と倒れていく銃撃戦。例えば、主人公を初対面にも関わらず無条件に信用する登場人物。例えば、証拠を吟味する段階で「疑わしいからこそ信じる」と言い出す探偵。
手前勝手
また読者の了解を得ていない規範に基づいた演出も御都合主義と呼ばれる。ただし、これは「読者に正しい情報を伝えられたかどうか」という技術的な問題に起因することが多く、演出の方法論として語る必要はないと思われる。*2
作者の主張
作者自身の主張はどうでもよい。作品にとっては害にも益にもならない外部事項にすぎないが、しばしば前項の手前勝手と結び付きがちである。つまり、作者の手前勝手な倫理/主張が僅かの検証も経ずに“正しい”とされてしまう訳である。*3このような作品に対しては聖書中の物語と称して仏教説話を語られるような齟齬を感じる。

*1:この語は演出に対する*評価*である。

*2:「そもそも情報を伝えていない」という作品もあるとは思うが、そのようなものが出版されることは稀だろう。むしろのように批評的パロディの中で扱う方が正当だろう。

*3:この「作者の手前勝手な倫理/主張」が生温い分には高く評価されることも多いが。