新風舎

ちょっと古い話だけど、新風舎協力出版の記事を読んだ。校正は無し、編集はテンプレートというかなり雑な仕事のようだ。それで140万円払って地元の3書店にしか並ばなかったとか。詐欺すれすれだと思うけど本という形になるのがうれしい人はいるからなぁ。
で、なぜエントリにしたかというと同人誌について調べたからだ*1それによると100ページ100部を印刷すると印刷所にもよるが5万円以下で良いらしい*2DTPな編集は自分でしなくてはならない。流通は小説や評論も扱っているらしいコミケとかウェブサイトで通販とかしかないだろう。それでも達成感は充分にあるのではないかな。
もちろんウェブサイトを作る方が多くの人の目に付くだろう。小説だったらケータイ小説に投稿するのでもかまわない。自己表現には色々な手法があるということを一般に知らしめるべきなのかもしれない。
(自費出版をするような人向けにサイトを作るサービスというのもありかもしれない。極端な話、LaTeXで原稿を書けばサイトと印刷データを一度に生成出来る。latex2htmlでは論文向けすぎて小説には辛いだろうが、事業として行うのなら幾らでも改造するだろうし。LaTeXが難しいというのならMS Wordでも充分かもしれないし。)
結局、この類の自己表現というものは一部を除いて収入に結びつかない。自己満足でしかないといえばその通りだろう。でも自己満足って大切だと思うのだよな。芸術とは言えないまでも創作物を作るときの第一の動機は自己満足だろう。自分が納得出来ないものを作る、さらに公開するというのはなかなか大変だ(お金になるならともかく)。でも人間には他者承認願望というものもある。自己満足が充分でも他者から無視され続けるのはしんどい。誰かからの反応が欲しいこともある。
新風舎のような協力出版だと身近な人は買ってくれるかもしれない。でも見ず知らずの人が書店で買ってくれるとは思えない。普通の人は何だかよく判らない著者の本に1000円、2000円払ってはくれないだろう。表紙が良ければ立ち読みくらいはしてくれるだろうけども。逆にサイトやケータイ小説ならばその立ち読みの人がそのまま最後まで読んでくれるかもしれない。もちろん無料というのもあるし、書店で立ち読みするよりも気軽に楽な環境で読めるというのもある。そこで気に入ってくれた人に製本したものを売るのでも良い。
自己表現をするにも手法を選んだ方が良いというだけなのだけどね。

*1:もちろん自分が作るというわけではない。同人誌を作るくらいならCD-Rでソフトを売るよ。

*2:漫画向けのセットプランの価格。字のみだったらもっと安くても良いかも。