文学の要素還元

文学を要素還元で考えてみる。

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主要なところはこんなものだろうか。上にあるものほどジャンルに依存する部分が大きく、下にあるものほどメディアに依存する部分が大きい。ここで言うジャンルはミステリやSF、社会派、ポルノなど、メディアは小説や演劇、漫画、アニメ、ゲームなど、どちらも様々なものがある。
もちろん、ジャンルとメディアだけで括るのは極めて粗い近似にすぎない。そもそも各ジャンルは排他的ではないし程度の問題もある。メディアも、作品単位で見ると排他的かもしれないが、いわゆるメディアミックスに限らず折衷的なものが多々ある。本来はR^{N}くらいの広大な自由度を持つものである。その自由度すべてを考慮せず単純化するための近似である。
で、本題。
「小説好き」や「漫画好き」といったように、読者の側をその人が好むメディアによって分類する例が多い。自己紹介に利用する「趣味」だったり、掲示板やコミュニティサイトだったり。しかし、大抵の人はそのメディアの中でもジャンルに基づいて作品を選ぶのではないだろうか。そして「今まで興味なかったけど(読んで|見て)みたら面白かった」というのは大抵、同ジャンル・別メディアの作品ではないだろうか。
そう考えると従来の評論やガイドはメディアに偏りすぎであり、受け手の側も自分をメディアに縛りすぎである。メディアに執着するのはマニアだけで充分だ。