『エンディミオンの覚醒』ダン・シモンズ

後半が早足になってしまった点は残念。かといって丁寧に書いたらもう一冊増えてしまうだろうし、難しいところだな。
見所は「世界の行く末よりもアイネイアーのことを気にしてしまう」というエンディミオンの性質だろう。旅の最中にこの性質を強調しておくことで、<天山>に場面が移って動きが少なくなった後にも駆動力を保っている。それが大団円への伏線にもなっているというのだから手が込んでいる。