RPG

最近は*band以外遊んでいないから微妙なのだけども。
まず前提から。ここで言うRPGはコンピュータ・ロール・プレイング・ゲームを指す。テーブルトーク・〜ではない。一般的なRPGの構成要素は

  • 戦闘
  • 成長
  • 物語

となる。境界的な作品では上の要素の幾つかが欠けていることもある。
戦闘とは一定の条件(=能力値、技能など消耗しないもの)での資源(=HP、MP、アイテムなど消耗するもの)の最適化だ。一般に言うダンジョンは複数の小戦闘を連続したものであり、一つの大戦闘であるとみなすことが出来る。普通は小戦闘の合間にはHPの回復といった資源間の調整を行う。ただし資源は漸減していくことが必須である。*1
成長とは戦闘における条件の変化だ。RPGでは数値的演出的な成長は多くの場合、単調に増加するものとしてデザインされている。しかし、実際のところは戦闘における相手方の成長曲線との相対的な位置のみが重要である。この相対的な位置がバランス調整ということになる。
物語とは大戦闘が連続すること自体に飽きさせないための演出である。凡百のRPGは大戦闘ごとの変化が乏しく次の大戦闘を開始させる動機が弱いため、物語の連続性、返せば始まってしまった物語を最後まで見たいという欲求、に訴えかけて次の大戦闘を開始させている。

結局のところ、RPGのうちのゲームである部分は戦闘のみだ。しかも戦闘とは最適化である以上、乱数を含んだパズルに過ぎない。出来の良いパズルならば繰り返し挑戦する価値もあるかもしれないが、出来の悪いパズルならば物語が尽きるより前に一般解が見えてしまうだろう。
一度も全滅せずにクリア出来るようなRPGは、物語を読んでもらうためにプレイヤーを接待しているようなものであり、ゲームとしては駄作だと言える。最適化しなくても大戦闘を突破出来るのならばそれ以上の最適化をする意味がなくなるからだ。ゲームである必要がないのなら、小説や漫画、アニメ、ドラマ、……、何でも良いがもっと適したメディアを探す努力をした方が良いのではないか。

もちろん家庭用ゲームなら5000円だが小説なら1000円という価格差はあり、商業的な戦略としてゲームを選ぶというのは否定しない。所謂ノベルゲームというものはそういう戦略の元にライトノベル・ライター(的な人)を吸収したというものだよね。

*1:もし完全回復する余地があるのならばそこまでの最適化はほとんど無駄となり、独立した大戦闘が並んでいるだけになる。だったら初めから別の大戦闘としてデザインした方が便利だろう。