歴史

http://hachimitu.jp/blog/archives/2009/01/04230131.htmlに関して。
私は「日本のブログ」は在来のウェブ日記という文化にblogツールが重なって初めて爆発的に増殖できたのだと思っている。だから「ブログなんてウェブ日記の焼き直しだ」と言うのも「Bloggerから始まった」と言うのも同程度に間違っている。
ある文化について「起点がどこにあるか」の議論を始めると大抵は自転車置き場化する。その理由について思い当たることがある。
例えば、mesh某の

blogが一般的になったときに、「mesh抜きでは日本におけるblog草創期を語れない」と言われるようなサイトにしていきたいですね。(言いすぎ?)

といった言葉がある。この言葉は非常に反感を買ったが、全くの間違いではないようにも思う。その辺りを説明しよう。
ウェブ日記者は「既に書かれて人気もあるウェブ日記をさておいて何を言っているんだお前は?」と反発していたのだと言われている。プログラマは「実際にツールを作っている人をさておいて〜*1」と反発していたのだと言われている*2
これはある程度、その分野に精通したものの視線だ。その分野に精通した者はそれ以外の者が見落とすようなものまで見ることが出来る。だから彼らの言う「blog草創期」は当時既に終わっていた。
それに対してmesh某のものは違う。彼らの言う「blog草創期」はたぶん「PCに詳しくない人もブログを使い始める時代」だ。実際、その「blog草創期」まで数年かかった。
単純に言えば、人は自分が見知ったときを起点と考える、ということなのだろう。何か一つのエポック・メイキングな作品が文化を引っ張っている間はそれでも上手く行く。インターネットのように出来事が散発する状況ではそうも行かないのだ。
ちょっと待て。「一つのエポック・メイキングな作品が文化を引っ張っている」ような時代なんてラジオ・TVが主役だった100年ばかりだけなのではないか?

*1:blogとは少し違ってもCMSを作っている人は結構いた。自分一人で使う程度の品質で良ければLLプログラマなら大抵作れるだろうし。

*2:私は反感の理由の一つとして単純に「meshのblogはどれも詰まらない」というのがあったように思う。技術的にもネタ的にも。