生活費

http://www.yuiyuidori.net/soken/ape/2008/2008_1209.htmlの話。
見積りとしては面白い。個別の金額の見積もりについては調査の誤差の範囲内(誤差の記載がないけど)とみなすとしても、算定手法自体に注意が必要な箇所が多々ある。例えば、

住居費
住居費を標準的な家賃から計算している。大学の寮や会社の家賃補助がある場合はそれを補正する必要がある。
交通費
通学・通勤の交通費を全額計上している。学生割引や交通費支給がある場合はそれを補正する必要がある。
予備費
説明を読む限り、この内容は「雑費」であって「予備費」ではない。そもそも不測の出費に関しても平均を取る必要がある。
娯楽費
予算として考えるのなら予備費の余った分を娯楽費に回すという運用が一般的だろう。

具体的に。

  • 月給24万円、家賃・交通費補助なし。
  • 月給19万円、家賃・交通費補助あり。

くらいがこの調査による水準だ。とりあえず

  • 月給24万円、家賃・交通費補助あり。

ではない*1
で、予備費と娯楽費を一体とみなすと

  • 月給22万円、家賃・交通費補助なし。
  • 月給17万円、家賃・交通費補助あり。

くらいだ。この方が妥当だと思うが如何か。

感想。

そもそもここで想定している生活は一昔前なら「一億総中流」と呼んでいた水準のものだと思う。必要な要素を減らさずに支出だけを減らすという意味で「倹約」する余地もまだまだある*2し、この数値が「ワーキング・プア」と「一億総中流」の分水嶺となるとは言い難い。
むしろこの資料は家計を配分する際のモデルケースとして利用できるのではないか。例えば「月給20万円、家賃・交通費補助なし」だったら「娯楽費の上限は〜程度」というように。

*1:http://allabout.co.jp/gs/lifeeventmoney/closeup/CU20080418A/index2.htmを見るとちょっと非現実的。

*2:個人的に躊躇いなく削れる分だけで3万円くらい。