科学哲学
真理と科学
まず個人的な科学に対する考えを書く。本流の科学哲学とは少しずれているかもしれない。
- 真理とは
- 人間が触れることができるのは数学で扱える範囲のみ。それ以外は『見えざるピンクのユニコーン - Wikipedia』と同じ価値がある。
- 数学とは
- 公理と推論規則からなる厳密な演繹のみに依存する理論体系のこと。演繹過程が厳密にすべて正しいものを「数学的に正しい」と呼ぶ。数学自体には価値という観点はなく、「数学的に価値がある」とは「数学者が価値を認めている」の言い換えである。
- 科学とは
- 自然現象を記述したモデルのこと。「数学的に正し」く、なおかつ、すべての実験結果を再現するものを「科学的に正しい」と呼ぶ。「すべての実験結果」を事前に達成することができない以上、「科学的に正しい」は暫定的な正しさに過ぎない。数学同様、科学自体には価値という観点はなく、「科学的に価値がある」とは「科学者が価値を認めている」の言い換えである*1。
科学によって真理を記述することはできない。自然現象を記述することすらできない。自然現象の僅かな断片を極めて粗い近似として予想することができるのみだ。
「ニセ科学」
いわゆる「ニセ科学」には
- 「科学的に正し」くないものを「科学的に正しい」と称する。
- あらゆる実験結果を再現できるものを「科学的に正しい」と称する。
の二種類がある。
1.は明白な詐称だ。カール・セーガンや菊池聡などの行っている科学啓蒙活動により対処するのが最善だと思う*2。
2.は詐称とも詐称でないとも言い難い。「科学的に価値がない」とは言っても、ある意味では、「科学的に正しい」からだ*3。こちらは論理学や弁論術の範疇であり、哲学啓蒙活動が必要なのではないだろうか*4。
(追記)
一応書いておくと「ニセ科学」問題は基本的に社会学や倫理学の範疇。ただし、科学者と科学哲学者は当事者なので参加せざるを得ない。