万能理論=イエスマン

true/falseとpositive/negativeの話。

まずは表から。

true false
positive 1. 2.
negative 3. 4.
  1. 検出されるべきものが検出された。
  2. 検出されるべきでないものが検出された。
  3. 検出されるべきものが検出されない。
  4. 検出されるべきでないものが検出されない。

万能理論。

万能理論が生まれる背景には

  • 理論の優劣は1.の大きさによって決まる。

という誤解がある。
評価関数はpositive/negativeにのみ影響する、という外部観測的な問題を考えてみよう。true/falseの比率が変わることはないのだから、true/falseを評価するまでもなく、すべての事例にpositiveを返す評価関数のときに1.が最大になる。

もちろん。

重要なのは想定実践の対照が取れているかどうかである。その内容が正しいかどうかではない。
もっとまともな判定基準として

  • 理論の優劣は1.と4.の和の大きさによって決まる。

というものがある。これはtrue=>positive, false=>negativeという「正しい」評価関数のものを最優秀と判定することが明らかだ。
さらに詳しい判定基準ならば

  • 理論の優劣は2.と3.に重率を掛けた和の小ささによって決まる。

というものもあるだろう。この重率は用途によって決まる。

〆。

前述の「すべての事例にpositiveを返す評価関数」がどれだけ問題を含んでいるか、を示すものとして「イエスマン関数」という用語を考えてみた。万能理論の心地良さはイエスマンの心地良さ。