メタ(続き)

「メタ○×」という言葉が通じるには「○×」に関する共通認識が必要である。
「○×」が具象物である場合にはそれなりに共通認識が得られる可能性が高い。私が今打っているキーボードが「私が今打っているキーボード」であることについて共通認識があるとは必ずしも言えないとはいえ、表だった異義を唱える人はいない/いないと信じたい/いたら困る/いても関わらないで。
しかし、「メタ○×(\in具象物)」という言葉については共通認識が得られる可能性が極めて低くなる。「メタキーボード」というものを考えてみよう。複数のPCを一台で操作出来るキーボード?ユーザが自由にキー配列を定義できるキーボード?既に市販されているものでも「メタキーボード」と呼べそうな品がある。
これはつまり、「メタ○×(\in具象物)」の「○×(\in具象物)」という言葉が象徴として用いられるためである。「メタ○×(\in具象物)」とはつまり、「メタX(=任意の「○×」\in具象物が象徴するもの)」の総称的表現である。「メタキーボード」は「メタX(=任意の「キーボード」が象徴するもの)」を意味している。「キーボード」が象徴するものとして入力機能を扱いたいのならば「メタインプットデバイス*1と呼んだ方がその意図が明確になるだろう。
さて、「○×」に「フィクション」を代入すると困ったことになる。「フィクション」が象徴するものが極めて多いからだ。

*1:普段利用しているIMもメタインプットデバイスである。