メタ(さらに続き)

さて、「メタフィクション」である。
「フィクション」とは散文形式で書かれた創作物語全般である。一般に「メタフィクション」と呼ぶときには創作物としての側面について着目し、なおかつ「フィクション」という語を再帰的に適用した「メタ創作」的創作物語を指す場合が多い。
もちろん、フィクションに対する評論など、創作物語に対する言論は「フィクション」に対してメタ的な立場にある。しかし、「評論」という語自身にそのような意味があるために評論に対して「メタ○×」という形容はなされない。「メタ創作」的創作物語というものが珍しいからこそ「メタフィクション」がジャンルとして識別されるのである。