属人

日本の文化は極めて属人性が高い。*1
例えば、大衆文化の中でも安価で手軽なものの代表としてTVの高視聴率番組を考えてみる。先日の紅白歌合戦、あれを音楽番組として見た人は少ないだろう。
そもそもが一般的なCDやDVDと比べれば不充分な条件で*2、かと言って即興性もない演奏・歌唱である。さらには録音状態もあまり良くない上に、データ量が小さいわりにノイズの多い手段で送信している。このように、音楽を楽しむには不都合な条件が多すぎるのである。
むしろ「歌謡業界の人気者が集合しているお祭り」として見ていた方が多かったのではないかと思う。確かに単独でも充分に客を集められるような出演者をあれだけ揃えたという点だけでも他のイベントでは決して真似出来ないものだろう(少なくとも採算が取れない)。しかし、前述の通り、公演そのものはあまり褒められたものではない。
それではもう少しハイカルチャー寄りの文化として、小説について考えてみる。

*1:まあ、何所の文化も多分に属人的なのだけど、日本についてのみ書く。

*2:注意:音量や音質の調整、複数テイクの合成などはポップミュージックの品質を支える重要な技術である。