氷川透『密室ロジック』ISBN:4061823108

会議室の死体×衆人環視の現場=究極の不可能犯罪
要するに視線の密室の一変種である。単純化してしまえば「証言を総合すると廊下の両端は常に誰かが見ていたらしい。だったら犯人はどこから脱出したんだ?」という作品。
分量の三割程度を推理に費やす辺りは氷川透らしい。しかし、事件前の部分には無駄な、本当に無駄な記述が多いため、内容の七割程度が推理だったような印象さえある。それなら、短篇として最初から最後まで推理のみで押し通した方が良かったのではないか。