狂言回し→語り手

娯楽作品には狂言回しとなる登場人物が必要だ。
最初から最後までずっと一人の登場人物が狂言回しを勤めることもあるし、複数の人物が入れ替わり立ち替わり勤めることもある。ときには主要な登場人物すべてが狂言回しとなって物語に奉仕する作品さえあるほどだ*1
狂言回しは当人内部の動機よりも物語の必然性に基づいて振舞うため、登場人物であるにも関わらずメタ的な側面を持たざるを得ない。このメタ性を純化したものが外部から物語と読者との間を埋める、いわゆる語り手という存在である。

*1:匣の中の失楽』とかね。