ちょっと嫌な感じ

http://www.asahi.com/national/update/0102/TKY200901020056.htmlの「年越し派遣村」の話。どちらにせよ数日で鮮度の尽きる話だからasahi.comでいいや。
この「労働者」たちは「実行委員会」が官庁と交渉するための人質なんだろう。でも、ちょっと「同日午後、寒空の下に労働者が放り出されては命の危険がある」というのは酷い話だ。本当に「悲惨な状況」の大半はこの「実行委員会」が作り出したものなのだもの。
冬にろくな装備もなし*1に野宿をするのは危険だ。夜中に急な雨が降り出したら体調を崩す人がどれだけいると思っているのか。年末年始は病院もあまり動いていないので命に関わることにもなりかねない。実際、野宿者の肺炎、結核による死亡は珍しいものではないし。
済し崩しに週明けの後も座り込みを続けるつもりだとは思うが、終わった後にその参加者が帰る場所は残っているのかという疑問もある。この「労働者」の何割が元派遣労働者なのかも判らないけど、路上生活者を増やすのでは元も子もない。
確かに「収入がない」は困った状況だが、だからと言ってすぐに死ぬわけではない。こんな博打をして得られるものは少々の一時給付程度、それで身体を壊したら本当に働くことが出来なくなる。それなら短期の仕事を探して食い繋ぐ方がましだと思う。
それも条件の悪いものばかりで不満はあるだろう。でも余裕がないときに一発逆転を狙うのはきわめて危険だ。一つにはその可能性が小さければ小さいほどその確率を正しく見積もるのは難しいから。もう一つにはそういった余裕がない人を利用する犯罪が多々あるから*2

*1:布団がキャンプ用ではないし、こんな吹き晒しで野宿する?

*2:この「実行委員会」がそうだという主張ではなくて、路上生活者が売り払った戸籍や住民票が詐欺事件で利用されているといった話。戸籍や住民票がなければ通常の社会復帰は無理でしょう。