プログラミングには計算機科学抜きでも出来る分野も沢山ある。

http://mojix.org/2008/12/29/it_engineer_csについて。
計算機科学が必要なところは沢山あるし、実際あらゆる場所で使われている。でも、そういった場所を覆い隠すライブラリやツールも沢山あって、そのライブラリやツールがカバーしている範囲の中でなら計算機科学はなくても構わない。
これは計算機科学に限ったことではなく科学技術全般に関わることなのだけど「背景となる理論を理解せずとも使える」というのは技術が成熟しているかどうかの目安になる。例えば、電磁気学量子力学を知らなくても電子レンジを使うことは出来るだろう。それどころかそれらを知らない、知る必要のない開発者だって幾らでもいる。それは必要な知識や技術を開発チーム全体で分担できているということの現れだからだ。
プログラミングに「美的感覚」が必要な部分があるのは事実だ。しかし、それは本当にプログラミングでなくては出来ないことなのか疑ってみても良いと思う。例えば、一昔(もっと?)前までのコンピュータ・グラフィックスの分野はプログラミングが必須だった。今ならPhotoshopやその他のツールを使えばプログラミング抜きで大抵の仕事をこなすことができる。
PhotoshopMicrosoft OfficeDreamweaverといったツールの開発者と利用者の比率も傍証になると思うが、計算機科学が必要な分野よりも「美的感覚」が必要な分野の方が圧倒的に仕事が多いのだ。言及先の方がしている仕事は今のところ「プログラミング」に分類されているだけで、その仕事のための有用なツールセットが開発されたら全く新しい分野として認定されるようなものなのかもしれない。それまでは……まあ、頑張れ。