貧困の問題と「貧困」の問題。

http://d.hatena.ne.jp/solar/20090322#p1の話。

貧困の問題とは衣食住に困るということ。

自殺しようとしている人を助けることが文学にできるか?と問われれば、難しいところだが、もしかしたらできるかもしれないと思う。しかし、餓死しようとしている人を助けることが文学にできるか?と問われれば、もう素直に謝るしかない。文学書を売り払えば昼食代くらいになるかもしれないが、ねぇ。
「貧すれば鈍す」と言うように、貧困の問題の渦中にある人が「想像力の貧困」に陥ってしまうのは仕方がない。そこを這い出て欲しいのは山々なのだけど、自力救済を求めるのも無理があるので公的救済が必要になる。ただし、コンビニ夜勤の人は既に下のカテゴリ。

「貧困」の問題とは格差社会論や『蟹工船』ブームのこと。

しかし、貧困問題の渦中にない人が「想像力の貧困」に陥っている。格差社会論は社会の貧困問題を解決する役に立たないし、『蟹工船』ブームは個人の貧困問題を解決する役に立たない。
「リアル」を語る人は現状を肯定するし、「想像力」を語る人は現状を否定する。どちらも耐え難い現状に愚痴を言っているにすぎない*1。それこそが「想像力の貧困」ではないか。

ただし。

「想像力の貧困」は状況が悪くなって初めて問題視されるようになっただけであって、今に始まったことではないような気がする。

*1:※現状に満足している人はどちらもあまり語らないとして。