超特許

http://d.hatena.ne.jp/T-3don/20090323/1237806751のブックマークに書いた話の詳細を書く。
まず永久機関が拒否されるのは前提だ。特許庁で「永久機関」を検索すると毎年数件が出願されている。もちろん、すべて拒否されている。だが、「永久機関」とあからさまに書いていなければ審査をすり抜けて成立してしまうこともある。仮令それが物理法則に反していたとしても*1
最近ではアメリカのhttp://www.delphion.com/details?&pn=US06362718__や国内の「磁力回転装置」のシリーズが永久機関に関するもののようだ。基本的には電力を入力するとそれ以上の電力が出力されるという類の永久機関である。
これらの扱いが微妙なのは「実際に動く品物ではある」という点にある。まあ、出力/入力比が1を切っていたならただの変圧器なので、何か新規性があれば特許も取れるだろう。実際には出力/入力比が1を超えた永久機関だと主張しているわけで大きな問題がある。特許申請には出力/入力比が書かれていないのだ*2
出力/入力比が0.999999の変圧器と出力/入力比が1.000001の永久機関との間には科学的に超えられない壁がある。しかし、特許制度は両者を区別できるようにできていない。例えば、変圧器として取得した特許であっても「特許を取得した永久機関」と称して売り込むこともできるのが現状だろう。

*1:ちなみにタイムマシンはかなり昔に成立した特許らしい(出典は出せないけど)。むしろそういう特許のせいで今の審査基準ができたという歴史を示すものかも。

*2:そもそも特許は定量的に書く必要がないとされているようで、科学論文のように詳細なデータを付加している例を見たことがない。