読書日記
出来の良いパロディは何時読んでも楽しめる。まあ、それは定義のようなものであり、同義反復といってもよいのだが、最も頼りになる指標であるのも事実だ。
電車内で読むには重い一冊。 ミステリとしては各部分の繋がりが弱い。フーコーを『監獄の誕生』一点に絞ってしまうのはお座成りすぎると思う。
まだ200頁ほど残っているのですけど、展開はあからさまなので感想。ええと、榎木津がいなければ小説にならない事件ですね。 物語の内部では何ら不思議なことは起こっておらず*1、過去四件の事件の相似性を強調したり、榎木津の宣告を挟んでみたり、……といっ…
面白いくらいに私の好みと合わない小説だった。登場人物は象徴的にすぎるように思うし、“血が固まった色の口紅”といった比喩にも困惑したし、いちいち読み辛いことばかり。
浦賀らしくないというべきか、浦賀らしいというべきか。島田荘司ににも似た手付きで拡げた大風呂敷を、浦賀ならではの結末へとまとめ上げてしまった。 ミステリというジャンルに対する葛藤が無ければ書けない小説なのは確かなのだけれど、内容についてよりも…
左右の瞳の色が違うキャラクター〜」の部分の指摘が、某秋月の小説を読んでから書いたかのように笑いました。ただ、京極・清涼院というミステリ面を放棄した作家を、ミステリ作家の代表であるかのように扱うのはアンフェアですね。 プロットをまとめるのが苦…
読み終わったところ。 或る程度は予想していた通り、伏線を回収しない・唐突に話が大きくなる・そのまま終わる、という展開でした。面白くないことはないのだけど、筋書がぐだぐだなのは憂鬱になります。
第九章まで読んだところ。 爺さんだとか、握り飯だとか、温泉だとか、本筋と関係のない文章の上手さに感得する。でも、登場人物といい、地球空洞説といい、今更としか言いようがない素材ばかりだし、SFとしての出来はあまり期待できないかな。
いまいち。
ある日突然、エルサレムが意志を持って動き出した!という現実+αの設定のファンタジー。 SF的なものを期待すれば緩々、風刺・寓話として読めば脱力、……、という調子で、決して全方位的な大作ではないと思う。戯画化された国際情勢の元で動き出したエルサレ…
ううむ、序盤の展開は『眩暈』にそっくり。まあ、以前自分で使ったネタを一部再利用しているわけで、やや不満がないわけでもない。ただ、それでも『眩暈』より面白くなっていたし、こういう拡大再生産も有りなのかもしれないと思う。*1それと、横書きが読み…