2005-01-01から1年間の記事一覧

「ゲーデル」問題

ミステリの業界で呼ぶ「ゲーデル問題」は、作中での推理を公理系だと無条件にみなしている点で間違い^H^H^H場違いだと思う。ミステリに不完全性定理を引き込むためには、そもそも何を公理とみなすかについての言及が必要なのだ。 公理=証拠と考える つまり…

局所ブームとその占有の是非について、またはサークルクラッシャーの続き

返事と追記を兼ねて。 『失われた時を求めて』中盤でも描かれていたような十九世紀〜20世紀初頭のサロンには上流階級の夫人や高級娼婦が主催していたものが多数あり、当然のことながら色恋沙汰のスキャンダルも繰り返されていました。で、時には決闘騒ぎが…

idでリンクすると自動的にトラックバックされるのね。システムを把握していなかった、失敗。 追記:折角なのでデザインも変えてみた。

サークルクラッシャー

アンテナ先のid:otokinokiさんの話に関してメモ。 このサークルクラッシャーは大学のゼミでも発生する。*1 見比べてみれば、挙げられている発生条件の ハイソで文化度の高いコミュニティ 単色デッキ たいていオボコ は理系だろうが文系だろうが真面目であれ…

狂言回し→語り手

娯楽作品には狂言回しとなる登場人物が必要だ。 最初から最後までずっと一人の登場人物が狂言回しを勤めることもあるし、複数の人物が入れ替わり立ち替わり勤めることもある。ときには主要な登場人物すべてが狂言回しとなって物語に奉仕する作品さえあるほど…

視点または視座の問題

視点または視座の問題とは「語り手に対応する作中世界のものは何か」という点に集約される。 対応するものが登場人物ならば「人物視点」 対応するものが全知的存在ならば「神視点」 対応するものが物理的な事象のみを認知する存在ならば「カメラ視点」 など…

画像添付

京ぽんからの画像添付のテスト(ちなみに画像自体はThinkPad T-40)。 とりあえず、アップで撮ればキートップの文字が読める程度の解像度はあった。それと、かなり焦点深度が深いように感じる。

AIR-EDGE phoneを買いました。

でも、ここからの更新は辛い。特に入力が面倒。*1 *1:しかし、文体に出てくる歪みは面白い

高田崇史著『QED ~ventus~ 鎌倉の闇』ISBN:4061823841

京極夏彦著『百器徒然袋 風』ISBN:4061823795

村上春樹著『蛍・納屋を焼く・その他の短編』ISBN:4101001332

William Gibson著/浅倉久志訳『フューチャーマチック』ISBN:4047913456

筒井康隆著『ロートレック荘事件』ISBN:410314520X

笙野頼子著『金毘羅』ISBN:4087747204

読んだもの追加。

新H2A打ち上げ

http://mtsat1r.rocketsystem.co.jp/rcc/index_j.html もうすぐ打ち上げです。 http://mtsat1r.rocketsystem.co.jp/live/program_j.html ライブ中継も始まります。

乾くるみ『リピート』ISBN:4163233504

十ヵ月前の世界へ記憶を持ったままタイムスリップ出来るとの誘い。あなたならどうする? 何せタイムスリップどころか時間逆行(『匣の中』)まで書いたことのある作家なのだから、何周もの「リピート」を繰り返す中から推理を進めるような複雑怪奇なものを予…

氷川透『密室ロジック』ISBN:4061823108

会議室の死体×衆人環視の現場=究極の不可能犯罪要するに視線の密室の一変種である。単純化してしまえば「証言を総合すると廊下の両端は常に誰かが見ていたらしい。だったら犯人はどこから脱出したんだ?」という作品。 分量の三割程度を推理に費やす辺りは…

Gene Rodman Wolfe著/柳下毅一郎訳『ケルベロス第五の首』ISBN:4336045666

「我」の物語を少しずつずらしながら繰り返す、そんな小説。 第一話「ケルベロス第五の首」 まずはぼく/弟の類似と相違が描かれる。ミスター・ミリオンは、教師としてぼく/弟を対等に扱うことによって、両者の差異を強化している。そして、両者の「我」は…

Connie Willis著/大森望訳『航路(下)』ISBN:4789724395

Connie Willis著/大森望訳『航路(上)』ISBN:4789719332

笙野頼子著『片付けない作家と西の天狗』ISBN:4309016405

Gene Rodman Wolfe著/柳下毅一郎訳『ケルベロス第五の首』ISBN:4336045666

Marcel Proust著/鈴木道彦訳『失われた時を求めて〈下〉』ISBN:4087731502

Marcel Proust著/鈴木道彦訳『失われた時を求めて〈上〉』ISBN:4087731499

ちょっと今月に入ってから読んだものを題名だけ並べておこうかな、と。

構造体

(int,int)⇒ struct point { int x, int y }多値の各項にアクセッサ/識別子を付けると構造体が出来上がる。これも抽象化と言えないこともないのだけれど、データ構造を扱っている点は変わっておらず、極めて具体的な表現に止まっている。これに対し、javaのi…

多値

R5RSには多値を返す関数があるのだが、その使い方は取ってつけたような印象がある。元々の構文では多値という扱いが想定されていないからだろうか。 多値を返す関数を珍しく感じるのはcやjavaに慣れていることだけが理由ではなく、「関数」という語本来の用…

属人(小説・物語)

「それではもう少しハイカルチャー寄りの文化として、小説について考えてみる。」と書いたものの、日本にハイカルチャーが存在しているのかどうかは疑わしい。重ねて書くならば、一つの事柄をハイカルチャーとして受容するような規範文化が存在するのかどう…

属人

日本の文化は極めて属人性が高い。*1 例えば、大衆文化の中でも安価で手軽なものの代表としてTVの高視聴率番組を考えてみる。先日の紅白歌合戦、あれを音楽番組として見た人は少ないだろう。 そもそもが一般的なCDやDVDと比べれば不充分な条件で*2、かと言っ…